GLP-1受動態作動薬による肥満症治療
当院の肥満外来では健康寿命の延伸と生活習慣病の改善を目指す医療的減量治療の一環として、肥満症治療薬(GLP-1受動態作動薬)を導入することと致しました。これらの治療は、美容や痩身のみを目的としたのもではなく、肥満症という病気に対する医療として、将来の生活習慣病や合併症のリスクを減らし、健康寿命を延ばすことを目的としています。
もともとはこれらの薬剤は2型糖尿病治療薬として使用され、安全性が確認されています。名称が異なるだけで、有効成分は同じであり、ともに体重減少が期待されるお薬です。
当院院長は糖尿病治療において日常診療で扱ってきた豊富な経験があり、その知見を肥満症治療でも活かしながら丁寧にフォロー致します。
高血圧、脂質異常症のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られない方のうち、以下のいずれかを満たす方を対象に肥満治療を提供しています。
当院では美容目的のみの処方は行いません。医学的な必要性を評価したうえで治療をご提案します。自由診療でも、保険診療と同様に安全性を重視し、また保険診療での治療選択肢がある場合には、状況に応じてその案内も行います。
1.BMIが27kg/㎡以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する方
2.BMIが35kg/㎡以上の方
※肥満に関連する健康障害
①脂質異常症 ②高血圧 ③高尿酸血症・痛風 ④冠動脈疾患 ⑤脳梗塞 ⑥非アルコール性脂肪性肝疾患 ⑦月経異常・不妊 ⑧閉塞性睡眠時無呼吸症候群、低換気症候群 ⑨運動器疾患 ⑩肥満関連腎臓病
●ゼップバウンドおよびウゴービとは?
ウゴービとは「GLP-1受容体作動薬」に分類され、体内で分泌される「GLP-1」というホルモンと似た働きを持っています。有効成分は「セマグルチド」という薬でもともとは糖尿病治療薬(オゼンピック)として開発されました。「GLP-1」は脳の食欲を調節する領域に作用し、食事量を自然に抑え体重を減少させます。
ゼップバウンドは「GIP/GLP-1受容体作動薬」であり、GLP-1に加えてGIP(グルコース依存性インスリン分泌促進ポリペプチド)というホルモンの働きも真似た薬です。有効成分は「チルゼパチド」という薬で、もともとは糖尿病治療薬(マンジャロ)として開発されました。その後、体重減少効果が非常に高いことがわかり、肥満症の治療薬としても使用されるようになりました。この薬の大きな特徴は、体内にある2つの「GLP-1」「GIP」という2つのホルモンの働きを強めることにあります。
これらは「インクレチン」と呼ばれるホルモンで、食事をすると腸から分泌されます。このGLP-1の作用には
①食欲を抑える
②満腹感を長く保つ
③胃の動きをゆっくりにす
④血糖値を下げる
という効果があります。また、GIPは脳の食欲中枢に働きかけ、GLP-1と協力してより強い食欲抑制効果を発揮します。また、脂肪組織へ直接作用し
①空腹時の脂肪分解を促進する
②エネルギー消費を増加させる
などの効果をもたらします。
ゼップバウンドおよびウゴービはともに週に1回、皮膚の下(お腹など)に注射します。最初は少ない量から始めて、体が慣れるように徐々に増やしていきます。
●副作用について
GLP-1受動態作動薬には体重減少に大きな効果が期待できる一方で、以下のような副作用が報告されています。
・主な副作用
①吐き気、便秘、下痢、腹痛などの消化器症状(多くは投与初期にみられ、徐々に軽快します)
②食欲低下、満腹感の亢進
③倦怠感、頭痛など
・ごくまれに見られる副作用
①胆嚢疾患、膵炎、腎機能の変動
②抑うつ気分、不安などの精神的症状
治療開始時に少量から段階的に増量することで副作用を抑えるとともに必要に応じて、採血・栄養支援を通じて、副作用の有無や体調の変化を丁寧にフォローアップいたします。
●治療の流れ
初めての方も、まずは通常の外来を受診してください。
・現在の体調、これまでの治療歴や生活習慣などをお伺いします
・必要に応じて血液検査などを行い、薬物療法が適しているかを評価します
・管理栄養士による栄養指導を通じて、病態や生活習慣に合わせ、具体的で実践的な食事改善策を一緒に考えていきます
・期待できる効果や考えられる副作用、費用などについて、医師が丁寧にご説明します
内容をご理解・ご納得いただいたうえで、治療を開始するかどうかを一緒に決めていきます。
●費用と注意事項
本治療は保険適用外の自由診療です。診察料、検査料、薬剤費などはすべて自己負担となります。副作用や効果には個人差があり、すべての方に同じ効果が得られるわけではありません。治療中も定期的な診察や検査によって安全性を確認しながら継続の可否を判断します。治療に用いる薬剤は、国内で承認されている医薬品を適切なルートで入手したものを使用します。
●受診をご検討の方へ
治療をご希望の方、内容について詳しく知りたい方は、受診時に「肥満症治療について相談したい」とお申し出ください。状況をうかがいながら、最適な治療方法を一緒に考えていきます。
| 用量 |
価格 |
| ゼップバウンド2.5mg |
34,000円 |
| ゼップバウンド5.0mg |
45,000円 |
| ゼップバウンド7.5mg |
54,000円 |
| ゼップバウンド10mg |
60,000円 |
| ゼップバウンド12.5mg |
66,000円 |
| ゼップバウンド15mg |
71,000円 |
| 用量 |
価格 |
| ウゴービ0.25mg |
28,000円 |
| ウゴービ0.5mg |
30,000円 |
| ウゴービ1.0mg |
40,000円 |
| ウゴービ1.7mg |
53,000円 |
| ウゴービ2.4mg |
66,000円 |
※ペン1本に1回分(1週分)の薬剤が充填されている単回使用製剤です。上記価格は4週分(4本)あたりの費用となります。
※上記薬剤代に加え、初診料(3,000円)、再診料(1,000円)、検査料(5,000円)が別途必要になります。検査は初回受診時、2回目受診時およびその後の6ヶ月毎の受診時に必要となります。
※上記費用には管理栄養士によるカウンセリング代が含まれています。